英国ロイヤルバレエ団ファーストソリスト
アクリ瑠嘉Luca Acri
2010年 第13回NBA全国バレエコンクール 中学生男子の部 第1位 他

アクリ・堀本バレエアカデミー出身。2008年全日本バレエコンクール第2位、北京国際バレエコンクール第3位。
2009年NBA全国バレエコンクール 中学生男子の部 第1位[ミラノ・スカラ座バレエアカデミースカラシップ賞]、全国ジュニアバレエコンクール ジャパングランプリ ジュニアA 男性の部 第1位[ロイヤルバレエスクール スカラシップ賞(3年間)]、こうべ全国洋舞コンクール 男性ジュニア1部 第1位。2010年ローザンヌ国際バレエコンクール ファイナリスト スカラシップにてロイヤルバレエスクール留学。2013年ロイヤルバレエ団入団2014年 ファースト・アーティスト、2015年ソリスト、2019年ファーストソリストに昇格。
ロイヤルバレエ団にて「コッペリア」フランツ、「ロミオとジュリエット」マキューシオ、「ラフィユ・マルガルデ」アラン、「くるみ割り人形」くるみ割り人形、ハンツ・ペーター、「真夏の夜の夢」パック、「ジゼル」パドシックス、「眠れる森の美女」青い鳥、「白鳥の湖」パドトロワ、等の主要キャストを踊り好評を得る。

劇場でしか体験できない素晴らしさ

僕は小学校6年から中学3年にかけてNBA バレエコンクールに出させていただきました。毎年、日本全国各地からの参加者も多く、とてもレベルが高かったのですが、楽しいコンクールだったことを覚えています。中学3年の時にはミラノスカラ座のバレエ学校のスカラーシップを頂き、僕がこうして外国で踊っているきっかけとなった思い出深いコンクールです。
今、世界中コロナウイルスの影響で大変な状況になっています。僕のバレエ団でも3月頃からシアターが閉まってしまい、ずっとパフォーマンスが出来ない状況が続いていて、今やっとライブ放送や制限された観客数で舞台に戻ることができました。日本でも公演や発表会がキャンセルになるという話を聞き胸が痛みます。
そんな中、僕が未来のアーティストに忘れないでもらいたいことがあります。バレエとは劇場でしか体験できない素晴らしさがあるという事です。踊りと音楽が結合してそこから生まれる感情やストーリー、それはバレエならではの魅力ではないでしょうか。何百年の伝統があるこの総合芸術をリスペクトして、しっかり学んで、何より心から愛してもらいたいと僕は思います。僕たちは身体で感情を表現する、要するにダンサーにとって自分の身体は言葉なのです。しっかり責任を持って身体をケアすることもダンサーの仕事です。そして舞台に出ているときは思いきり自分の気持ち、お客様に伝えたいことを表現してもらいたいです。バリエーション一つにしても同じで、「なぜここでこのステップをする?全幕の舞台だったらこのキャラクターはどういう思いがあるのか?」などを考えてみたら踊りに違いが出てくるのではないでしょうか。
このNBA バレエコンクールで皆様の力が発揮でき、楽しんで踊れますよう願っております。


ハンブルクバレエ団プリンシパル
菅井 円加Madoka Sugai
2011年 第14回NBA全国バレエコンクール 高校生女子の部 第2位の1 他

3歳からバレエを始める。2000年〜佐々木三夏バレエアカデミーにて、佐々木三夏先生、池端幹夫先生の指導 のもとバレエを習い始め、様々な国内バレエコンクールに出場。
2012年にPrix de Lausanne にて第一位とコンテンポラリー賞を受賞。ショソンドール国際バレエコンクールin Paris にてグランプリ受賞。 2012年9 月からドイツ、ハンブルクのジュニアカンパニーに入団。
2014年からハンブルクバレエ団に入団。
2017年にソリスト昇格。様々のジョンノイマイヤー作品や、Dances at the gathering、ヌレエフ版ドンキホーテ等を踊る。
2019年にプリンシパルに昇格。

“基礎”の大切さを身に沁みて感じる日々

私はいつも緊張しやすく、毎年1番最初に挑むNBA 全国バレエコンクールでは特に身体が震える程こわばっていたのを覚えています。コンクールに出場していた時のことを今振り返ってみると、数分間だけでも広い舞台を独り占めできる事はとっても貴重な経験だったなぁと思います。コンクールに何度も出場し、舞台に立つ回数、経験を重ねていくにつれ、緊張しやすい私でも少しずつ度胸がついたのかなと感じます。
そういった経験を得て、今こうして私は海外で踊っていますが、昔から変わらず思う事、考える事、感じる事は、”基礎” がいかに大切かという事です。どんな動きをするにも、基礎を忠実にしっかり学び、自分の身体に覚えさせていけば、とても心強く感じられ、踊りの深さ、魅力も追求でき、踊るという事が何倍も楽しくなります。海外で生活する際、言葉の壁だったり生活のリズムや心のバランスを整える事が難しくなります。そういう時こそ、怖がらず周りにいる仲間達に助けを求めたり、積極的にコミュニケーションをとったり、自分の好きな事をとことんやってみたりすると、きっといろんな悩みや問題が解決していくと思います。
もちろん母国を離れ、家族からも離れて海外で生活するという事は簡単な事ではありません。でもだからこそ、自分に挑戦するという意味も込めて、目の前にあるチャンスを逃さないよう自分の好きな事、夢をどんどん追いかけていってください。
常に笑顔を忘れず、お互い夢に向かって挑み続けましょう!


英国ロイヤルバレエ団プリンシパル
高田 茜Akane Takada
2008年 第11回NBA全国バレエコンクール 高校生女子の部 第1位 他

3歳よりバレエを始める。 2006年よりボリショイバレエアカデミーに2年間留学。
2008年ローザンヌ国際バレエコンクールにてスカラシップ賞及びオーディエンス賞を受賞。同年、英国ロイヤルバレエ団にて研修生として入団。翌年2009年アーティストとして同バレエ団に正式入団をする。2016年同バレエ団のプリンシパルに昇進する。
レパートリーは、“白鳥の湖”、“眠りの森の美女”、“くるみ割り人形”、“ドンキホーテ”、“ジゼル”、“ロミオとジュリエット”、“マノン”、“マイヤリング”、“ウルフワークス”、“コッペリア”、“不思議の国のアリス”などがある。

ありのままの自分に向き合うこと

コロナウィルスの影響により不安な日々が続いておりますが、バレエ界をそしてこれからを担う若きダンサーの方々の為に動かれている様々な団体やアーティストの方々に私も沢山のダンサーも励まされ、希望を持つ事が出来ています。思えば、海外へ留学するチャンスを頂けたのもこのNBA 全国バレエコンクールでしたが、海外生活が人生の約半分になった今年、まさか世界がこのような状況になるとは想像もしていませんでした。
3月から私のいるイギリスはロックダウンになり約6ヶ月間の間、劇場は閉鎖されその間は自宅でオンラインでのクラスを受けていました。私を含めた沢山のダンサーたちの生活は一変し、先行きがわからない中でモチベーションを保ち続けることの難しさに直面しました。普段リハーサルや公演で忙しい日々を過ごす私達ダンサーにとって急に訪れた自分自身と向き合う時間、というものに最初なかなか受け入れることが出来ませんでした。自分自身を受け入れる事は時に痛みを伴うからです。しかしありのままの自分を理解し受け入れる事で、今何が出来、何が必要なのかを明確にする事が出来たように思えます。そして将来の自分を見据えてトレーニングを継続し続ける力の大切さと難しさも同時に痛感しました。
この難しい状況下の中で若いダンサーの皆さんも、もしかしたら私と似たような思いをしたかもしれません。しかしそのままの自分を受け入れ、知り、認める事で見えてくるもの、感じるものがあると思います。自身を受け入れる事と継続し続ける力は、きっとこれから様々な場面で必要になってくる事と思います。この経験が後に自信に繋がり、感情に幅を持たせ、自由に自分を表現できるきっかけになる事でしょう。
最後になりましたが、早く元の日常に戻ることを願い、将来を担う若いダンサーの皆さんにとっても私達ダンサーにとっても心から楽しめる舞台を創れる近い将来になることを心から願っています。


パリ・オペラ座バレエ団契約ダンサー
二山 治雄Haruo Niyama
2014年 第17回NBA全国バレエコンクール 高校生男子の部 第1位 他

白鳥バレエ学園で塚田たまゑ・みほりに師事
2013年ジャパングランプリ/ YAGP 日本予選シニア男性第1位、コンテンポラリー部門第1位
2014年NBA 全国バレエコンクール高校生男子の部第1位/第42回ローザンヌ国際バレエコンクール第1位 (サンフランシスコバレエスクールへ留学) / YAGP・NY 決戦シニア男性部門第1位/文部科学大臣賞を受賞/サイトウキネンフェスティバルにて小澤征爾と共演
2016年第27回ヴァルナ国際コンクール ファイナリスト/ワシントンバレエ団 Studio company へ入団/NBA バレエ団(Stars and Stripes・平山素子) ゲスト出演
2017〜2020年パリ・オペラ座バレエ団契約ダンサー
2019年パリ・オペラ座バレエ団外部コンクール1位

全ての基礎となるクラスを大切に

これまで色々なコンクールに出場しましたが、その中でもNBA コンクールは特に思い入れのあるコンクールです。僕にとって初めて出場したコンクールであり、国内で最後に出場したコンクールでもあります。同年代のライバルもたくさん出場していたので、お互いに切磋琢磨しながら学び合い、成長することができました。僕はこれまでアメリカとフランスで6年間踊ってきましたが、日本を離れて海外でバレエをすることには多くの困難がありました。何もかもがうまくいかず悩んだ時期もありましたが、その中で改めて基礎の大切さに気付くことができました。
僕は毎日のクラスを大切にしています。クラスは全ての基礎となる部分です。毎日欠かさず、多い時は一日に2、3クラス受けています。バレエには長い歴史と文化があり、ダンサーも時間を掛けてそれに相応しい体を作り、技術を習得する必要があると考えています。僕は小さい頃から白鳥バレエ学園の塚田先生より熱心に指導をしていただき、その積み重ねが今の自分の土台になっています。今はこれまでやってきたことを信じて、表現力や美しさをより高めていけるよう日々励んでいます。
今も世界中でコロナの感染が拡大し苦しんでいる方がたくさんいます。また海外の友人の中には自由にクラスができずにいる人も多くいます。こうした状況の中で毎日お稽古ができること、皆さんがこうしてコンクールに出場出来ることはとても幸せな事です。これから先辛い事や大変な事がたくさんあると思います。挫けそうになることもあるかもしれません。そんな時は自分をサポートしてくれている人達のことを思い出して、踊れる喜びを胸に諦めずにトライしてください。僕はまだ人としてもダンサーとしても未熟ですが、支えてくださっている先生や多くの方々、家族への感謝の気持ちを忘れずに努力し続けていきます。最後に、本日出場される皆さんが実力を発揮され、実りの多いコンクールとなりますことを心よりお祈りいたします。


英国ロイヤルバレエ団プリンシパル
平野 亮一Ryoichi Hirano
2000年 第3回NBA全国バレエコンクール ジュニアの部 第3位の1

平野節子バレエスクールでトレーニングを受ける。
2001年ローザンヌ国際コンクールでプロフェッショナル賞を受賞。
2002年英国ロイヤルバレエ団に入団。
2016年プリンパルに昇格。
主なレパートリーは、「ジゼル」、「眠れる森の美女」、「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」、「パゴタの王子」の王子、「冬物語」のレオンテス、「ドン・キホーテ」のエスパーダ、「ロミオとジュリエット」のロミオ、「ライモンダ第3幕」のジャン・ド・ブリエンヌ、「うたかたの恋」のルドルフ皇太子、「アナスタシア」のラスプーチン、「フランケンシュタイン」のクリーチャー等。

楽しいという感情を忘れずに

僕がNBA バレエコンクールに出たのはもう20年以上前の話です。面白い出来事でよく覚えています。何を踊ったかは覚えていないのですが…。
決勝の前日に母(先生)と夕食に行ったときのことです。母は牡蠣が大好きで、メニューに生牡蠣を発見し喜んで頼みました。美味しいから食べてみる?と勧められ、1つを遠慮なく。初めての生牡蠣でしたが味の感想は覚えていません。決戦の日、何だか急に気分が悪くなりトイレに駆け込むことになりました。あたりました…。決勝の日に牡蠣にあたりました…。しかし大事件は起きずに無事踊りきることができました。帰り際にローザンヌセミナーで知り合った友達みんなと集合写真を撮ったことや、寝台列車で大阪まで帰りその足で高校に直接行ったこと、寝台列車のベッドが小さかったことなど、その日のことをよく覚えています。
あれから20年以上経ち今となれば遠い昔の話ですが、コンクールは舞台に立てるという嬉しさは勿論、刺激し合えるバレエ友達と会える唯一の時だったので、いつも待ち遠しかったです。コンクールのために毎日練習したのも思い出します。踊っていて楽しいという思いは見ている方々に絶対届きます。楽しんで踊らないと見ている方々にも楽しんでもらえません。練習は大変ですし、辛い時もあると思います。でも楽しいという感情を忘れないようにしてください。そして思いっきり踊ることを楽しんでください!勿論バレエの基本も忘れてはなりませんが、それよりも原点の基本中の基本、楽しいからバレエを踊っているんだということを忘れないでください。


バーミンガムロイヤルバレエ団プリンシパル
平田 桃子Momoko Hirata
1999年 第2回NBA全国バレエコンクール 児童の部 第1位

5歳から山本禮子バレエ研究所でバレエを学ぶ。
2001年、ローザンヌ国際バレエコンクールでエスポワール賞受賞。英国ロイヤルバレエスクールへ留学。 2003年、首席で卒業後、英国バーミンガムロイヤルバレエ団へ入団。
2011年、スペインのコレーラバレエ団へ移籍。ニーナ・アナニアシヴィリ30周年記念公演に、アンヘル・コレ ーラのパートナーとして出演。
2012年、英国バーミンガムロイヤルバレエ団に移籍後、プリンシパルに昇格。
2019年、NBA バレエ団主催「白鳥の湖」にゲスト主演。

バレエを通じた出会いに感謝

私がNBA全国バレエコンクールに出場したのは 1999年の第1回目でした。その時に出会った審査員のおひとりがガリーナ・サムソバさんでした。私がバーミンガムロイヤルバレエ団入団後まもなく、偶然にもお仕事で彼女と御一緒させて頂く機会に恵まれました。その際、当時小学6年生だった私のことを彼女が覚えていて下さったことを知り、とても感激で胸がいっぱいになったことを覚えています。あの時思い切ってコンクールに出場して本当に良かったと思った瞬間でした。NBAコンクールに出場できたご縁あっての懐かしい思い出となっています。
私がイギリスに渡ってから早20年の月日が経とうとしています。大好きなバレエを生業として今日まで海外生活を続けてこられたのは、バレエを通して繋がった方々に支えられてきたお陰だと思っています。多くの人たちとの出会いが、今の私のバレエ人生そのものの支えになってくれていることは間違いありません。ガリーナさんとの出会いもさることながら、バレエのお陰で出会うことのできた人たちは皆、私の大切な財産となっています。これから先も様々な人たちとの出会いが待っていてくれると思いますが、自分磨きも怠らず、次に訪れる素敵な出会いを楽しみにしていきたいと思っています。
NBA全国バレエコンクールは、日々の鍛錬の成果を、そして、バレエという芸術を通して今の自分を表現できる絶好の舞台です。心地よい緊張感の中で繰り広げられるこの良き機会が自分自身をより一層磨けるきっかけとなってくれること、そして良き出会いの場となってくれることを心から願っております。